幼馴染と彼氏の事情
あーすっきりした!言いたい事が言えるって気持ちー。
「あは☆いい感じに隠してたと思ったんだけどー・・・ばれるか!」
そんな事思ってる俺を前に軽く返してくるあいつ。
やっぱ腹立つ。
「ばれるわ!!・・・・・・ったく、手間かけさせやがって。」
「ごめんね?・・・あはは。」
なんだ?笑い事か?結構傷ついてたのに笑いで済ませるのか?
俺だってそこまで心広くねぇ・・・。
「無理だな。お前、罰として俺と踊りの練習一緒にしろ。」
なんてさっき思ったことは口実。
実際はこいつと一緒に踊りたい理由を探していた。
「ま・・・まってよ!?本気!?」
「あぁ本気だ。どうせ彼氏に迷惑掛けたくないから一人で練習しようとしてたんだろ?」
実は知らなかったけどちょっとかま掛けてみた。
「すべてお見通しですか・・・。あ、でも恭ちゃんは?」
お!ビンゴ!!今日の俺、感がさえてるな!
と思ったが・・・最後の質問はナンだ?
「俺?何で?」
「いや・・・練習するってことは相手いるのかなーって。」
あぁ・・・そうゆうことか。
うん。踊る相手はいる・・・。でもお前だっているからいいじゃん。
「あー・・・うん。いるけど・・・俺も少しは踊れるようになりたいからさ。」
まぁ・・・適当に理由をつけときゃなんとかなるかな?
「あたしと一緒じゃん。・・・情けな。」
情けないってなんだよ・・・俺は情けない人間なんかじゃないぞ!
それにちゃんと考えて行動する。俺は出来るやつだ!
「は!?情けないってなんだよ!?コレでも頑張って自分なりに考え・・・」
「違うよー。あたしに練習しようって言わないで一人でするのが情けないって言ってるの!だって・・・二人の方がしやすいでしょ!」
そのときだった・・・・。
俺は彼女の言葉と笑顔に一瞬惹かれた。
ドキッ・・。
可愛い・・・。その笑顔誰にも見せたくない。
頼むから誰もこんなときに来るなよ?
暫く・・・独り占めしたい。
「・・・・。」
「恭ちゃん?・・・固まっちゃってどうした?」
俺はその言葉とともに眠りから覚めたように意識が戻った。
「え!?・・・いや。なんでもない!・・・それより練習始めようぜ!」
「え・・・うん。・・・きゃ!」
今ここであいつを押し倒して俺のものにしたい。
でも・・・ぐっとこらえた。
そのかわりあいつの腰を寄せて俺に近づけさせた。
あんまり俺を意識させないでくれよ。