幼馴染と彼氏の事情

キーンコーン・・・。

昼休みの合図が鳴った。


さてジャージを返して・・・あ、ついでにお弁当も持っていくか。

「今日は屋上で食べよーっと!」










えっと・・・・恭ちゃん恭ちゃん。

「あ、星華。何?ジャージ??」

後ろから彼の声がした。

「あ!恭ちゃん!!ジャージ、あり・・・。」

私は彼よりも・・・その隣にいる女の子に目がいってしまった。

「お!どーいたしまして!・・・ん?どうした?」

彼はあたしが見ている目線を追うなり何かに気づいた。

「始めまして!あたし七深瑠歌(ななみるか)って言います!よろしくね?」
「あ・・・うん!あたしは・・・」
「知ってるよ!甲坂さんでしょ?あなたのこと高梨君から聴いてるから!」
「そ・・・そうなんだ!」

すると彼は少し焦りだした。

「あ・・・えっと!こいつさぁ部活の知り合いで・・・たまたまあったから話してたんだ。」
「恭ちゃん何焦ってんの?・・・あー!可愛いからって一目惚れしちゃったんじゃないの?」
「ちげーよ!バーカ!!!」

なんだ・・・よかった。
え?・・・あたしなんで安心してるの?
恭ちゃんのことそうゆうふうに見てるわけじゃないのに・・・


なんで少し・・・嫉妬してるんだろ。


「あ・・・じゃあ。それだけだから!お二人とも仲良くね!!」

「え!?おい!星華!?」


なんとなく・・・ただなんとなく・・・
その場から離れたかった。









「いっただきまーす!!!」

誰もいない屋上で一人・・・。

お弁当を摘んでいます。


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