愛しく美しい海


『えと、よろしくね。私は山本…』


あれ?
…私って名前なんだっけ。

そういえば、学校も友達も住んでる場所もわからない。


どうしてあの海にいたんだっけ…?



「もしかしてわからないのか?」

『…うん。全部わからない』


「…記憶喪失」


蓮斗がボソッとつぶやいた。

蓮斗の言ってることはあたってる。
私は今までの記憶がないから。




“愛海”

ドクンッ

さっきの夢…
切なそうにそうはいていた男の人。

誰だったんだろう。

“愛海”って誰?


わからないよ…







< 8 / 9 >

この作品をシェア

pagetop