愛しく美しい海
『えと、よろしくね。私は山本…』
あれ?
…私って名前なんだっけ。
そういえば、学校も友達も住んでる場所もわからない。
どうしてあの海にいたんだっけ…?
「もしかしてわからないのか?」
『…うん。全部わからない』
「…記憶喪失」
蓮斗がボソッとつぶやいた。
蓮斗の言ってることはあたってる。
私は今までの記憶がないから。
“愛海”
ドクンッ
さっきの夢…
切なそうにそうはいていた男の人。
誰だったんだろう。
“愛海”って誰?
わからないよ…