空の下のあの公園で


『いいからッ………!!』


『よくねーよ!!!ふざけんな!!』


雨の中息があがり揉み合う俺らはもう
お互いに正気にはなれていなかった


『離してって言ってるじゃないですかっ!!!!』


お互いが取り乱していた


『よくねーってつってんのが聞こえねーのか!!!!!!!!』


『……ッ』

俺もお前も初めて


俺の怒鳴り声にビクッと肩を揺らしたこいつは視線を下に向け俺の腕からゆっくり手を離した


『…ごめん……』


『………して…』


『………』


『どうッ…して来たん…ですか……?』

震える声で確かにそう言った


『どうして…僕に構うんですか?
もう…よかったのに…もう会えなく…てよかったのに…もう…会いたくな…かったのに…これ以上…』


『………』


『これ以上…もうこん…な思いは…』


下を向いたこいつの顔は今どんな表情をしてる?


『したくないのに……』


俺は今どんな表情をしている……?


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