主婦だって恋をする


「…………祥子」



振り向くと、そこには婚約祝いの食事の日以来の、祥子の姿があった。

慶と一緒のときに知り合いに会うのは初めてで、動揺した私は目を泳がせる。



「こんな所で会うなんて奇遇ね。買い物?」


「うん、そんなところ……祥子は今日仕事じゃないの?」


「休んじゃった。仮病で。ほら、これから彼と一緒に暮らすから色々揃えなきゃならないんだけど、週末だと混むじゃない。
……ねえ、この後何もないならお茶でもどう?」



祥子の誘いになんと答えようか悩んでいると、会計を済ませた慶が戻ってきた。



「成美、終わっ………た」



慶は私が誰かと一緒にいるのに気づいて戸惑ったようだった。

祥子も、見知らぬ若い男の子の登場に不思議そうな表情。


どうしよう……


< 110 / 212 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop