主婦だって恋をする

「祥子、今度の週末暇?」


「え?ああ……うん」


「そのときゆっくり話しましょう?後で連絡する。今日は、連れがいるからごめんね……!」



私はくるりと祥子に背を向けて、慶の腕を引っ張りながら逃げるようにお店を後にした。



――――家に帰ってから慶に事情を説明すると、彼はあからさまに機嫌を悪くした。



「なんで紹介してくれなかったの?」



膝を抱えて背中を丸める彼に私は言った。



「だって……なんて紹介したらいいかわからなくて」


「この人と付き合ってるって正直に言えばいいじゃん!!」


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