主婦だって恋をする
「成美、彼が私の婚約者」
「初めまして、宇津木聡です」
「姫島の妻です、初めまして。それにしてもこの祥子をどうやって射止めたんですか?」
「ちょっとそれどーゆー意味よ?」
祥子が口を尖らせる。
「姫島さんの協力で……」
宇津木さんは夫に恐縮しながら言った。
「俺が手伝ったのは最初だけだ。頑張ったのはお前だろ?」
夫の一つ後輩らしい宇津木さんは、祥子と親しかった彼に、協力を要請したらしい。
それにしても意外だった。
以前の祥子は特定の男性を作らず、広く浅く色々な人と付き合っていた。
“一人の人を好きになるのって体力要るから、面倒”
それが口癖だったから。