禁断のあまい果実【BL】
君は神  僕は、
「僕は天使?」

虚空に問いかけた
返事が返ってくることを知っているから

ここは天界
月並みに言えば天使や神がいる世界だ
だが、ここの世界には天界で非道な行為を行い 堕ちていった堕天使もいる


「いいや違うよ 君はもう堕ちちゃったからね」

そして今まさにここで
一人の天使が神によって堕天使に変えられようとしてた

「僕は天使でいたいよ」

僅かな願い
だがそれは神によりあっさりと打ち砕かれる


「だめ」


「なんで?」


「君には卑しい堕天使でいて貰わないと」


「僕はもう堕天使?」


「そう」


「なんで?」


「僕が君を好きだからさ」


「兄弟だ」


「そうだね でも好きなんだよ 君が」


「僕も好きだよ」


「君のは兄弟としてだろう?僕は恋人の好きとかそういう好きだ
僕が君を犯しちゃったら僕は神様でいられなくなるじゃないか」


「自分勝手」


「知ってる。だから僕のために堕ちてよ」


「僕は、僕は…」


非道な神の双子の弟
それが


神は弟を愛してしまった

神は清らかな存在?まさか。
穢れていようと力さえあれば構わない
そう知っている

だからその思いは隠さない


神のくせに非道
一番堕ちるべきなのは




けれど神は弟を生贄にした

自分が
弟を愛せるように――。
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