SWIMMING*SCHOOL

けのびをしよう


私の顔は、いきなりぱあっと華やいだに違いない。


目も輝きを増したことだろう、と自分で分かる。


ゆっくりゆっくりと手のひらに降り立った私の相棒、ゴーグル。


いわゆる“水中開眼”の合格の証がそれであった。


「すんげー嬉しそうな顔」


そして、マンツーマンでの長い時間を経てか、
梶原コーチの口調も心なしかフレンドリーになりつつあった。


「じゃ、次は…」


「えー」


「えーって何だよ」


梶原コーチは時間を経た今もかっこいい。


「せっかく幸せの余韻に浸ってたのにもう次ですか~」


「上原さんは水中で目を開けれるようになるためだけに今日ここに来たの?」


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