ほんの少しの勇気があれば
ほんの少しの勇気があれば
「遠藤。今日、部活行く?」
放課後の教室で、突然話し掛けてきた声に、心臓がドクンッと大きく飛び跳ねる。
顔を見なくても分かる、この声の主。
男の子らしい、太くて少し低い声で私を呼んだのは、
大沢 リクト
同じバスケ部仲間であり、同じクラスのこの彼は、同中で、中学時代からずっと同じクラス。
そして、高校に入っても、一緒のクラスになった。
中学の頃から、密かに想いを寄せているけれど、きっと私の気持ちに気付いてはいないだろう。
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