ほんの少しの勇気があれば
えっ……?
「う、そ……」
あまりにも信じられなくて大沢くんを見つめることしか出来ない。
「うそじゃないし。俺は、遠藤が、ずっと好きだった」
大沢くんの強い声に、こくりと頷くことしかできない。
何か言わないとって思うのに、何て言っていいのか分からない。
「抱きしめて、いい?」
遠慮がちに聞いた大沢くんは、返事をする前に強く抱きしめてくれた。
「アカリって呼んで、いい?」
抱きしめられてバクバクと胸が音を立てているのに、耳元で聞こえる彼の言葉が、くすぐったくて、でもすごく心地よくて、大沢くんの温もりに包まれて、小さく「うん」と呟いた。
「アカリ」
囁くように呼ばれた言葉に先ほどとは違う涙が頬をつたった。
大好きな人から呼ばれる“アカリ”は、すごく特別で“アカリ”って名前が、すごくすごく愛しく感じた。