バレンタイン・キッス


「佐藤、暇なの?暇なら1on1しよーよ」
「え、やだ。暇じゃない。暇であっても川村とはしな…って話を聞いてっ!!」
「は?お前に拒否権あるわけないだろ」

理不尽!!
強引なところ本当に嫌い!

そしてあなたと1on1やるのは本当にギャラリーからの視線が痛いから嫌なのに!

がっしり人の腕を掴んでコートへ入っていく彼になす術もなく、仕方なくボールを持った。

コート外にいる私の友達であろう千夏はひらひらと笑顔で手を振ってくる。

助けてくれよ…!!


「…もう部活終わるんですケド。」
「じゃぁ、一点先取した方がジュース奢りな」

ニコッと笑う川村は多分、本気でやるに違い無い。相手が女子である私であっても。
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