惑溺





強いオス……。

確かに彼は美しくしなやかな獣のような強さを感じさせる男だった。



でも私は彼のその魅力よりも、気安く近づけないような危険な雰囲気に不安と胸騒ぎを感じた。

別に、私には縁のないタイプの男の人だから関係ないけど。
そう思いながらグラスを傾ける。





博美に相談するはずだった聡史からのプロポーズの事は、いつの間にかすっかり忘れてしまっていた。




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