惑溺

12

 



自分の部屋でひとり、赤い手帳を開く。
季節はもう12月になっていた。

ボーナス
クリスマス
忘年会
年末年始の休暇

スケジュールに書き込まれる、いくつもの楽しげな予定。

私はそんな毎日をただ淡々と過ごしていた。
昨日も今日も明日も。ずっと同じ事の繰り返しの様な単調な日々。

いつしか日々の輪郭は曖昧になり、毎日が色褪せていく。




でも、

これが私の日常



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