惑溺


「んッ……」

もう抵抗したって無駄。
そんな事、分かってる。


リョウは抵抗をやめた私を見下ろし満足気に微笑んだ。

そして捕らえた獲物に所有の印を付けるように、
私の足首に、きつく唇を当てる。



まるで足枷

足首に付いた赤い刻印。



こんなものなくたって私はもう
あなたから逃げる事なんて出来ないのに
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