愛しき・愛しき人[誤字修正]
父は…

「頭をあげてください。

 娘だって同じ気持ちなんだろうから・・・私たちとしても反対をするつもりはない。

 ただ、鳴海さんのことを私たちは何も知りません。仕事のことも何も。

 娘には幸せになってほしいと思っています。

 打算的かといわれるかも知れませんが…愛があれば金はいらないなど非現実的なことはないでしょうね。仕事は何を?」


和俊さんは、つい最近作り直した新しい名刺を父親に差し出した…


”ABCコーポレーション 副社長 鳴海 和哉”


そう…和哉さんの両親にあいさつに行った際、

社長であるお父様から副社長に就任するように言われ、

先週、社内発表をしたのだ。



「私は、肩書だけで、実質自分の父親を超えることは今はできなと

 思っています。

 しかし、加奈さんとともに父を超えるようになりたいと・・・

 加奈さんに生活の苦労をさせないだけのお給料はもらっているつもりです。」


まっすぐな目をして、副社長であるにも関わらず、驕ることもなく…

凛とした和哉さんはとても魅力的だった。


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