皇子と私


「………そうですけど…」


寝ている佐喜の顔がだんだん険しくなっている。


「黒崎…お前…城妃となるやつの名前も覚えていないのか!?!?」


黒崎の顔がこわばった。


「そ、そういうわけではありません…殿下…」


「そ、そうよ…私、家柄良くないし…………覚えにくいから……」

佐喜は私を睨んだ。

「お前…………」


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