ランデヴー II
「ダーヤマとその子、足して2で割るとちょうどいいかもね」


「あはは、それいいね」


「何がいいって?」


残りのビールを飲み干そうとジョッキを手にした私の背後から、別の声が話に入ってきた。



「あー、モリケン! 遅いよ、待ちくたびれたー」


「しょうがねぇだろ、営業の奴らがゴネて仕事終わんねんだから。もうあいつらマジでやだ」


みっちーの言葉にうんざり顔で答えるモリケンは、ドサリと私の隣に腰を降ろす。



「ビールでいい?」


「あぁ、サンキュ」


私の問いにそう答えると、モリケンはガサゴソと煙草を取り出して早速美味しそうに吸い始めた。


お店に来てすぐに吸うことは珍しいから、会社で一服もせずに出てきたのだろう。



私は3人分の飲み物を手早く頼むと、モリケンの話に耳を傾けることにした。
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