ハーレム ブラッド2
「言いたいことはそれだけか?」


ピシッ…


幸大の一言でその場に居た人が動きを止める。

「な!?

何だよ?」


男は何が怒ったか解らずに動揺する。


「言いたいことはもうないか?

なら…」

幸大が男に踏み出す。


「幸大様…」

アゲハが止める。


「アゲハ…退いてくれ。」

「ちょっと、良いかね?」

男性が席から立ち上がった。


「あんたは?」


「私は警察官だ。

今日は非番だが…ここで騒ぎになる前に私が真偽を確かめよう。


君の携帯を出しなさい。」

男性が言う。


「は?」


「警察は公私がない。

その場で事件に出くわしたなら見てみぬ振りはできない。」


「ふ…ふざけんな!!」

男が走り出した。


スパンッ!

「うわぁ!?」

男は他の客の足に引っ掛かり転び、携帯も床を滑る。

『おや…済まない。

足が引っ掛かったようだ。』

ヴァンがコーヒーを啜って言う。


「あら…誰かの携帯ね?

持ち主がわからないから仕方なく中身を見てみましょう。」


ダリシスがわざとらしく言う。


「ヴァン…ダリシス…何で?」

幸大が言う。

その瞬間、張り詰めた空気が消えた。


「あら…これは何かしら?」


ダリシスが警察と言った男性に見せる。

「これ…」

幸大も携帯のデータを見て驚く。


この学校祭の衣装らしき姿の女性のスカートの中を盗撮した写真だった。
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