お仕置きゲーム。


(っ、何よそれ。わけわかんないよ!じゃあなんでマサキの事好きなの!?裏切ったの!?)「じゃあなんで俺のことすきなの?なんで裏切ったの?」「、ね、真咲、それ、どういう事?私、ただ、真咲が好きなだけなの。裏切るって、どういう意味?」

智香は瞳を潤ませた。

「真咲、あなたもしかして、二重人格、なの?」「あ?」二重人格?なんだそれ。笑わせんな。俺は俺で真咲は真咲だ。「やっぱ、こいつイカれてやがる。」そう言い捨てると、智香は小さく笑う。「何が可笑しいんだよ。」「やっと、納得できたから、かな。」「...。」「貴方は、真咲じゃないって事よね。」

「...。」俺は何も言わなかった。それを勝手に肯定と解釈した智香は震える唇を開いた。

「、私、男の子の真咲が、すき。」「は?」


「あなたが好きなの。」


あんだけ殴られたのに、コイツは堂々と好きだと言った。(と、もか...)普通、好きでも傷つけられるってわかってたら告白しないだろ。(智香、)震えた瞳で、コイツは俺を見る。誰がみてもわかるくらい震えて、おびえてるのに、どうして告白するんだ。「ッ、思い出して、マサキ!!!」コイツは俺の名前を大声で叫んだ。

(智香、嫌。マサキ、逃げて、壊れちゃう。)「...。」思い出して?ナニを?(マサキ!)「真咲、」(マサキ、壊れちゃうよ!聞いちゃ駄目!)


「あなたが佐藤真咲なのよ!お願い、戻ってきて。」「違う、俺はマサキだ。」「貴方はマサキじゃない!」(っ、や、だぁ、やだぁ、マサキ、私、う、ゥ、)...ああ、真咲が泣いてる。コイツのせいで、真咲が泣いてる。


「ブチ壊してやる。」


無表情で、そう呟いた。意味のわからない事を言うコイツを、イカれた智香を、壊さなきゃ。じゃなきゃ真咲が悲しむ。俺が、助けなきゃ。愛しい真咲を、救わなきゃ。


(や、だぁ、やだァ、ひっく、ぅ、)




俺は、馬乗りになったまま両手で智香の首を掴んだ。
< 27 / 144 >

この作品をシェア

pagetop