キスの相手はあなただけっ!!
私はその場にへたっと座り込んだ。

「はぁ~。びっくり・・・した・・・。」

いつの間にか私は泣いていた。
みんなは私に向かって笑顔を向けてくれた。

「マリアは友達なんだから
助けるのもあたり前でしょ?」

愛がそう私に言う。
温かい。
愛の言葉が温かい。
私の心が温かい。

「ふっ・・・。
ふえぇぇぇぇぇぇん!」

私は思いっきり泣いた。
みんなの笑顔は変わらない。

「怖かったよぉぉ!
みんなが来てくれてなかったら
私、どうなってたんだろう・・・。
ありがとう!」

そう感謝の気持ちを私の出来る限りの力で
伝えた。
ふわっ

「んっ・・・!」

私の唇になにか温かくて柔らかいものが触れた。
目の前には聖夜。
ま・・・まさか・・・!
みんなの前で
ききききき・・・キスしてるぅぅぅぅ!
これは大パニックな私。
どうしよう。
私は聖夜を頑張って引き離そうとしたけど
私の力では無理。
きゃぁぁぁぁぁ!
ちょっと?
聖夜さぁぁぁぁぁん!
なんていうことを!!!
すると聖夜の唇が私の唇から離れた。

「よかった。マリア。
俺どうしようもできなくて・・・。
死んでもよかった。」
「聖夜・・・。」
「マリア。俺はやっぱりお前を守りたい。
だから自分はどうでもいいとか言うな。」
「うっ・・・。」
「ほらまた泣いてるー!」
「だってぇぇぇぇ!」

私はうれし泣き。
聖夜がこんなにも私を大事にしてくれてるなんて
思ってなかった。
うれしい。
私は聖夜の彼女で良かった!

「ていうか。俺らも友達?」

いきなり拓が言った。
俺らというのは拓、岸本、瀬川、西田のこと。

「う~ん・・・。」

女子たちはみんな首をかしげて考える。

「友達に決まってるよ!
大好きな友達!」

私は三人に笑ってそういった。
だって三人とも大好きなんだもん!

「マリア。この三人の誰か一人と
浮気すんなよ!」

聖夜が怒ったような声でいった。

「な・・・!
なにいってんの?
するわけないでしょ?!」

そう。
確かに三人とも大好き。
でもそれはあくまでも友達として。
1番好きなのは・・・。

「私の1番好きなのは・・・。
双葉っ!」

私は双葉に抱きついた。

「・・・・はぁ?
バカか。お前。」
「なによ!やきもち?
聖夜も抱きつかれたいの?」
「なにいってんだよ!
そんなことあるわけねーだろ!」
「ふふっ。」

私と聖夜の言い合いは
付き合っても変わらなかった。

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