一枝の寒梅
――それから外に視線を移した。月がみごとな円を描き、月光がわたしを明るく照らす。
今宵は満月。
そっと風の音に耳をすませて一息吐き出す。
……嗚呼。 私は武市さんの妻なのだ。
そう。わたしはようやく自分を納得させることがこの時できたんだ。
……わたしは龍馬さんをお慕いするこの心を捨てなければならない。
龍馬さんをお慕いしてまだ気持ちが大きくなりすぎていない今なら、まだ引き返せる。
自分自身にけじめをつけるように、自分自身に言い聞かせるように心の中で唱える。