猫かぶりは血を被り、冷徹はささやかに一瞥した


ルカにとってはどうでもいいことと見なされた。最初から護衛など便宜上のためでしかないと思われているのが分かったらしく、エレナが軽く頬を膨らますも、ルカの顔を見て何を思ったか笑顔になった。


「きついこと言われてもイケメンなら許せますねー。ますます頑張りまーす。ルカ様に、エレナがいて良かったとか言われたいしー。

明日はよろしくお願いしますねー」


ぺこりとお辞儀をしたエレナが退室をする。


一気に静まる室内だが。


「大丈夫でしょうか……」


ミカエルの不安がまた再浮上してしまい、また最初と同じやり取りが繰り返されたのだった。


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