さくら色 〜好きです、先輩〜

こいつらは皆サッカーが大好きで目がギラギラ輝いている。

…昔の俺みたいに。

何より俺を慕ってくれて、俺の復帰をこんなにも楽しみにしてくれてる。


なのに…


“リハビリはしてない”

“サッカーはやめた”


そんなこと言ったらお前らは幻滅するだろ?

この中には俺を目標にしてくれてる奴らもいるのに、そんなこと…言えるわけがない。


「俺達、復帰戦は必ず応援に行くからな!」


ガッツポーズをしながらやる気十分な姿に胸が痛む。


「お、おう!頼もしいな」

「じゃあまたサッカー教えてね!バイバーイ!」


手を振ってる子供達に「気を付けて帰れよー!」と俺も手を振り返した。


皆、ごめんな…


俺は子供達が見えなくなるまでその背中を見つめていた。





< 110 / 499 >

この作品をシェア

pagetop