さくら色 〜好きです、先輩〜
その後、子供達はコーチに呼ばれて戻って行った。
「ごめんな、あいつらが変な事言って」
「いえ、気にしてないですから」
「…そっか。あ、試合始まるみたいだな」
私達は土手に座り試合を観戦することにした。
先輩と私の間にあるこの距離がなかなか埋まらない。
二試合が終了して、再び子供達が駆け寄って来た。
試合が終わったばかりなのに、こんなに元気だなんて。
若いって凄いなー、なんて感心してる私。
「皆良い動きしてたぞ!亮太のシュートも晃のアシストも上手かったしな」
「だろ!?兄ちゃんに教えてもらった通りにやったんだぜ」
と、背番号10をつけた亮太君。
「俺のアシストが良かったんだよ」
背番号8をつけた晃君の腕には黄色いキャプテンマークが光っている。
「ああ!本当に上手くなった!兄ちゃん嬉しいぞ」
「「えへへ」」
先輩も子供達も本当に良い顔してる。
この顔見たらさっきの胸の痛みなんて吹っ飛んじゃうよ…
先輩のことでこんなにも一喜一憂して…
私、自分が思ってる以上に先輩が好きなんだ。