さくら色 〜好きです、先輩〜

両想い


ーーーピチピチピチ。


部屋の窓を開けると鳥の囀りが聞こえる。

日曜日の早朝なのに、家の前では早くから近所の主婦達の井戸端会議が始まっているようだった。


「はぁ…憂鬱だな」


昨日の帰り、先輩と気まずくなった。

先輩の最後の言葉に何も応えないまま家に入っちゃったし…

もしかしたら涙目になってるのも見られたかもしれない。


先輩にどんな顔して会えばいいのかな。

私は重い腰を上げて支度を始めた。



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