さくら色 〜好きです、先輩〜

「そういえば恭介いる?」


先輩は思い出したかのように教室内を見渡した。


「恭介なら多分外でサッカーしてると思いますけど」

「そっか、じゃあまた今度にするわ」

「…もしかして昨日言ってたことですか?」

「早い方がいいかと思って」


昨日の部活の帰り、先輩と今後のことについて話し合った。


ーーーーーーーーー・・・・・


「俺達が付き合ってることはまだ秘密にしておきたいんだ」


先輩は眉を下げて申し訳なさそうな顔をして言った。

理由は若菜先輩達と同じ。

今月から全国インターハイが始まる。

うちの学校は見事予選を突破して出場出来ることになっている。

数週間後のインターハイに向けて気合が入ってる皆に気を遣わせたくなかった。



< 297 / 499 >

この作品をシェア

pagetop