さくら色 〜好きです、先輩〜

それに先輩はサッカーから離れていたから「冬の国立」にはまだ出場したことがなかった。

今年がラストチャンス…

インターハイが終わったら今度は高校選手権「冬の国立」の予選に向けて強化合宿も控えてるし、今は恋愛で現を抜かしてる場合じゃない。


「今回のインターハイには選手登録が間に合わなくて出れないから冬の選手権にかけたいんだ。だからその…」

「わかってます。今は練習が第一ですよね!いいんです、デートが出来なくても。先輩のことこうやって側で応援出来るだけで幸せですから!」


本当は少し寂しいけど、先輩がまた夢に向かって頑張ってる姿を見れるのは嬉しい。

だから私は先輩の重荷にならないように我慢するんだ。


「ありがとう…でも、連絡はいつでもしろよ?寂しくなったらすぐ言うこと!それと…」


先輩はグイッと私の手を取り指を絡めた。


「帰りは手を繋ぐこと!」



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