さくら色 〜好きです、先輩〜
私が手を繋いだまま立ち止まったので、先輩も一歩先で止まり私を見た。
「葵?」
「それでも先輩がいい!!」
恭介がどんなに良い奴か知ってる。
ずっと一緒にいたから…
でも…それでも私は先輩を選んだ。
今の私は少しおかしい。
やっと想いが通じたのに、それが夢のようで未だに信じられなくて…
そんな不安定な私を真っ赤な夕日がもっともっと不安にさせる。
私は俯いて目をギュッと瞑った。