さくら色 〜好きです、先輩〜
先輩が夕空を見上げた。
「二人に何があったか知ってる」
「え!?」
突然の先輩の言葉に、私は驚いて声を上げた。
見渡す限り誰もいない一方通行の細い道に私の声が響く。
「いいのか?俺で…」
先輩は上を向いたまま言葉を紡ぐ。
その横顔が茜色に染まっている。
そのせいで顎のラインと喉仏がやけに色っぽくて、言葉を失うぐらい綺麗だった。
「恭介は良い奴だよ。そんなの葵は幼馴染なんだからわかってるだろけど…男から見てもかっこいいと思う。あいつなら絶対幸せにしてくれる」
黄昏時だからだろうか…
さっきまで笑顔だった先輩が真面目な顔しただけなのに、
切なさが込み上げてくる。
胸が締め付けられる…