【 側にいるよと笑うから 】

・逃走者





近寄んなカス発言をしてから、数日たった今。
何も変わらず、いつもの当たり前の日常



「新田。次のメニュー「奈央っ!!私はいないっ!!」


「だ、そうです。」



ではなかった。
私はひたすらに、あいつから逃げ続けている。今まで以上に、接点を避けているのだ。

理由なんてない。そうするのが当たり前なんだ、だって大嫌いな奴なんだから。顔も声も、存在自体が嫌なんだから。



「次は男女別れて各メニューだって。」


「分かった。」



あのとき言った言葉は本心で、嘘偽りなんてなかった...はずだったんだ、つい最近まで。

こいつと一緒にいる内に、知ってしまったんだ。嫌いな部分以外のこいつを。それを受け入れられている自分を。




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