そんな君に一目惚れ



「・・・って呼んじゃだめか?」


一応、聞いてみた。


だって、見ず知らずの男にいきなり名前なんて・・・なあ・・・?



「い、いいですよ・・・」


彼女・・・理沙の顔は赤かった。


きっと男から名前で呼ばれる機会が学校で無いのだろう。



同い年の男からも無さそうに伺える。



それからは、普通に“理沙”と呼ぶようになった。


もちろん、理沙からは変わらず“先生”。





名前で呼ばれるなんてことは無いんだろうなあとは思いながらも、どこかで期待はしている。



でもそんなこと、今の状態じゃ、ありえないから。


理沙に俺の気持ちが向くなんて、今は考えられないことだった。





< 25 / 94 >

この作品をシェア

pagetop