お見合い恋愛
それから、打ち合わせが終わったのは2時間後の午後6時だった。

「すみませんね、長々と。ご予定とか大丈夫ですか?」」

「いえ、三宅課長こそご予定があったのでは?」

「あぁ、部下と食事の約束をしていますがまだ大丈夫ですよ」



それって、もしかして唯香さんと・・・?



思わずでかかった言葉を慌てて飲み込む。

「あ・・あぁ、そうですか」

なんとか無難な返事でごまかしてみる。


「では、あとはこちらで手直ししてメールでお送りします」

「ええ、よろしくお願いします」

三宅課長は何も気にしていないようで、さわやかな笑顔で送り出してくれる。

仕事は速いし、頭の回転もいい、人当たりもいいし

男の俺から見ても、とても好印象な人だ。

もし、唯香さんに渡したあのメモがデートの誘いかなんかであっても

嫉妬すらする気にならないほど、非の打ち所がない。

社内でもモテるんだろうなぁと思う。


「あぁ、そうだ」


エレベーターのところまで来ると、三宅課長が思い出したように振り向いた。
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