【短編】彼女の瞳に映る世界
放課後。
僕は言われた通り、理科室に来ていた。
窓際までイスを引っ張ってきて、窓を開ける。
ひんやりした風が、理科室の匂いを少し緩和させた。
(町田さんは、一体僕に何を見せてくれるのだろうか)
ぼんやりと考えていると、声が聞こえてきた。
「春君、今度のお休み、新しくできた遊園地行こうよ」
「昔から由真は遊園地が好きだな」
「えー、だって楽しいじゃん」
「まぁ、そうだけどさ」
まるで恋人のような会話をしながら歩く2人を、上から眺める。
あれで付き合っていないのか。
頬杖をつきながら欠伸をかみ殺した。
これが、町田さんの見せたかったものなんだろうか。
他愛もない会話をしながら、2人は校門へ向かっていく。
(町田さん、やっぱり昨日の事、根に持ってたんじゃ…)
そう思い始めたとき、町田さんでも竹本君でもない声が聞こえてきた。