【短編】彼女の瞳に映る世界
「竹本君……だっけ?」
「え?」
「メールの相手」
そう聞くと、彼女は目を丸くした。
「どうして分かったの?」
「……勘、かな」
「当たり!すごいね、中川君」
はしゃぐ町田さんに、僕は苦笑いを浮かべた。
彼女には申し訳ないが、勘ではない。
席替えから1ヶ月、観察した結果だ。
町田さんには、幼馴染みがいる。
爽やか系イケメンの竹本春臣(タケモトハルオミ)。
幸か不幸か、イケメンには噂がつきまとう。
良い噂も悪い噂も。
そのどっちにも登場するのが、町田さんだった。