空と雨


それから二人は潤の家につくまで黙っていた。


いつしか家に着いて、潤はお礼を言って車から出た。


「…中野」


「…はい?」


振り返った瞬間あたしは先生に腕を引っ張られた。


「…っ」
あたしはギュッと目をつぶった。


しばらく目をつぶったままでいると、先生はずっと黙っているのであたしはうっすらと目を開いた。


「…先、生?」


「中野…、」


…なんでだろう

先生はあたしの名前をつぶやくと優しくほほえんでた。


「無理、するなよ」


そう言うと先生はポン…と手をあたしの頭にのっけた。


「……」


先生はなにかを感づいたの?
それともわかってたの?


先生……、

なんでそんなに優しいの?
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