空と雨


「そしてため込むな」


「…は、い」


「よし、じゃあ」


「ありがとうございました…

先生、気をつけてね」


潤は今度こそ車から出た。


「おう」


空はそう言ってニカッと得意げに笑うと、車を走らせた。


「先輩があんな人だったらよかったのにな…」


潤は空を見上げると、ブルッと身震いがしたので家に急いで入った。


そして家に入って気づいた

「スーツ…」


肩にかかったままの先生のスーツだった。


ギュッとスーツの裾をつかんだ。ほのかに先生の匂いがした。
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