空と雨
目が熱い。
シャワーのお湯に紛れ込んで、潤は耐えきれずに涙をこぼした。
認めるのが怖くて、認めるのがいやで、一目惚れってことを認めたくなくて…
涙なんか流したくなかった。
けどあたしの心は行動とは真逆な素直だった。
どんどんあふれる涙。
恋に泣かされる日がくるなんて思いもしなかった。
しかも好きになったから、一日も経ってないのに。
あたしは叶わない、恋をしてしまった。
だって先輩には“彼女”がいるから。
「……っ」
潤は声をこらえて、大粒の涙をほおに流す。
…わかんない。
なんでこんなに涙が出てくるのかが。
…先輩、好きなんです─…
気づいてますか?
気づかないですよね…まだ出会って一日も、経ってないんだから。
あたしのことなんか、ただの“後輩”とでしか覚えてない。