空と雨
恋の始まりは、甘い、ただそう思ってた。
マンガや小説の話に憧れていた。
出会って、波乱をのりこえて、仕舞にはハッピーエンド。
一目惚れとか、すごく可愛いな、とか思ってた。
でも実際は可愛い、なんてものじゃなくて、叶わない、という形になった。
あたしだって高校生になれば、彼氏を一人や二人、できるんだと思った。
当然好きな人だって、できると思ってた。
好きな人ができた。
でもその好きな人には彼女がいた。
なんていう運命なのだろう。
あたしの新しい恋の始まりは、甘く…可愛いものではなく、
悲しくて…叶わない恋だった。