初めては幼なじみ(真樹サイド)~手のかかる転校生~
まだ、上半身裸のままの光輝が声を震わせて泣き始めた。
「それをね……これは好きじゃないって言えない自分がいたんだ。無理して、沙都ちゃんに合わそうとしている自分がね。真樹になら、何でも我儘言えるのにね」
そう言って立ち尽くしていたわたしの腕を引き寄せて来て、ギュッと抱きしめてくれた。
「真樹の気持ちをいいことに……こんなことしてごめん。俺って最低な男だよね」
「光輝……」
「真樹の俺に対する気持ちが、重かったんだ。押し付けた思いじゃなかったけど、それも全部受け止められない自分がいて、真樹に甘えてた」
「光輝……」
「でも、今、真樹と抱き合って気付いたんだ。俺にとって必要なのは、沙都ちゃんじゃなくて、真樹だってことに。自分の全てを受け止めてくれるのは真樹しかいないって気付いたんだ」
「光輝……」
「これからもずっと、俺を見ていてくれないか?」
「自惚れ?」
「うん。真樹限定の自惚れ」
「何……それ?」
何時でも、わたしの心をかき乱す、手の掛る転校生だった光輝。
それは、今でも変わらない。
わたしは……光輝が好きだ。
「でも、光輝はまだ、沙都ちゃんが好きでしょ?」
「うん。今はね……でも、忘れる自信はある。真樹がいるから」
筋肉質の胸に閉じ込められたまま、ゆっくりと眼を閉じた。
そして、もう一度聞こえた。
「真樹がいるから……」
FIN
