フラワーデイズ


「うーん、二十代半ばくらいだったかなぁ。さっしーと同じくらいだった気がする。あ、でもさっしーの笑顔は子犬っていうか、子供みたいなのよ!うーん、やっぱシティズ知るにはテレビが一番かな。動物番組とかで天然発揮しまくってるときのさっしーの表情とかめっちゃ癒されるのよ。いまだったらテレビ安くなってるから小さいのなら買えるわよ。ユウキちゃんならフルで入ってるんだから。ていうか、フリーターじゃなくて、もういっそ正社員になれば?店長も…」

 どこまでも続く戸田さんのおしゃべりは来客のチャイムで遮られた。

「あ、いらっしゃいませ」

 戸田さんは営業用スマイルを纏って出ていき、私はほっとしてバラのトゲに視線を落とす。

「そういえばユウキちゃん、来年はどうするんだい?」

 戸田さんのおしゃべりから逃れていたはずなのにいつの間にか現れて、気遣いを感じさせる店長の言葉は、戸田さんに聞こえないように小声だった。



< 29 / 31 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop