誠の桜に止まる蝶~番外編~
そして私は総司と蝶に近づく。

「二人ともありがとうね。」

その言葉を聞いて蝶は瞳を大きくする。

「じゃあっ!!」

「おめでとう沙織。」

総司が頭を撫でる。

「もう、私は子供?」

苦笑いでそっと手をどける。

「沙織、おめでと!!」

蝶が勢いよく抱きついてくる。

「わっ!!」

私はよろけて後ろに倒れそうになる。

だけど左之さんがしっかりと支えてくれたおかげで倒れずに済む。

「おいおい!原田俺の役目を!!」

新八が行き場のない手を持て余している。

それを見て左之さんは私を抱き上げる。

「こいつの全部を受け止める役目はこれから俺なんだよ。」

「も、もうっ!左之さん降ろして!!」

そう言いながら顔を真っ赤にして叫ぶ沙織。

「沙織、幸せそうだね。」

総司が私の隣で微笑む。

「うん。土方さんもなんか嬉しそうだよね。」

土方さんは門にもたれかかって微笑みながら二人を見ている。

そしてしばらく私たちは門で騒いでいた。

願わくば、この幸せがずっと続きますように。

私は沙織と原田さんを見てそう心の中で思った。
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