セイントロンド
第二章 witchlaughter

・弔いの口づけ



あぁ…また夢を見てる…


体が闇の中に浮いては沈みを繰り返す。


―タ・ス・ケ・テ…


誰かの声なき声が聞こえた気がした。


―コワシタクナド…ナカッタノダ……


あなた…誰なの……?
冷たい…静かな威厳のある声…


―アイシテイタ…タイセツダッタ…


泣いてるの……?
何で…そんな悲しそうなの…?


―ワタシノセイダ…オマエヲクルワセ…


―ミズカラモクルッタ…


…あなたは……
大魔女リリス………?


これは…ワルプルギスにあてた言葉…


―アァ…モウモドレナイ…


もっと強ければ……


―ワタシがヨワイバカリニ…


…大切だったんだ…
愛していただけだった。


だから迷った…戸惑った。


―アァ…マタシズンデイク…


待って!!
行っては駄目!!


今私が手を伸ばした所で、これは夢にすぎないから意味無いのかもしれない。


それでも………


孤独になってしまったこの人を…


この人を救ってあげたい…そう思った。


あぁ…どうして私の手は彼女に届かないんだろう。


私は………無力だ……










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