Dummy Lover
「な、何…?」
「え?」
「いや、片付けないと…、帰れないよ?」
私の方に体を向け、作業をしようとしない白谷に私は言った。
そして、自分はとにかく手を動かして、作業を続ける。
顔がかなりひきつってるはず。
だって、どう接したら良いのか、全くもって分からない。
「羽月さんは?」
「へっ!?」
予想外にも聞き返されてしまって、声が少し裏返る。
続けていた作業も、自然にストップしてしまう。
「羽月さんは、僕と一緒に資料室整理するの嫌?」
「え…」
何言ってるの、白谷泉。
ちょっと自意識過剰なんじゃないの?
それじゃあ、まるで、『僕といたいでしょ?』って、言ってるみたい。
私は、何も出来ずに固まってしまった。
世の中には、こんな奴もいるんだ、と思い。
それと同時に、もっと違う深い意味で言ってるのだろうか、と頭の中でハイスピードで考える。
「どうしたの、羽月さん」
「え、あ…、何でもない!それより早くやろ!」
私はそう言って、また作業に戻ろうとする。
もう話したくない。
調子狂って、本性が出てしまいそうになる。