Dummy Lover



有り得ない。
私、今何してんの?

なんで…、白谷泉と二人っきりで、資料室の整理なんてしてるの?




「……」


沈黙が流れる。

私と白谷泉は、菊池先生の言いつけ通りに資料室の整理をしていた。
私は手を動かすことだけに集中する。


とにかく、
早く終わってほしかった。






「ねぇ、羽月さん」

「えっ…!?」


今まで沈黙を守ってきたのに、斜め後ろにいる白谷が、私に声をかけてきた。
私は驚いて、持っていた資料を落としそうになる。


「ふっ…。羽月さん、今日驚いてばかりだね。さっきも菊ちゃんに驚いてたし」

「あ、いや…、そうだね」


なんて返していいのか分からなくて、微妙な返事を返す。
今まで棚に向かって作業していた白谷は、いつの間にか私の方に体を向けていた。

なんだか、嫌な予感がする。


< 16 / 78 >

この作品をシェア

pagetop