Dummy Lover
「由愛ちゃん、ただの優等生じゃなかったんだね。…面白いじゃん」
「な…何言って、」
私がそう言いかけると、白谷がすっと私の方に近付く。
それと同時に私が後退ると、背中に資料室の棚があたった。
「あ…」
「逃げられないよ?」
「…!」
白谷は相変わらず、何かを企むような笑みを浮かべ、私を見つめている。
その目はまるで獲物を捕らえたように、光ってみえた。
やばいやばいやばい。
なんで私追い詰められてんの?
しかも、こんなろくでもない女タラシに!
……ていうか、
「あんたもなんか、さっきとキャラ変わってない!?」
「あれ、バレちゃった?」
私は白谷を指差して叫ぶ。
すると、白谷は軽く笑って、舌を出した。
「実は、僕も由愛ちゃんと同じなんだよねー。猫被り、っていうの?」
「……」
神様。
いったい何なんですか、
この男。
私は腰が抜けて、その場に座りこんでしまった。