Dummy Lover
「あれ、大丈夫?」
「大丈夫じゃない!…あんたのせいなんだから!」
「ははっ…。ごめんね?」
「絶対嫌!」
私が棚に背中を預けたように座り込むと、白谷もしゃがんで目線を合わせてくる。
私はなんとなく目線が合うのが嫌で、ふいっと横を向いた。
「ねぇ、由愛ちゃん」
「な、何よ…?」
「秘密はお互いにさ、他人に知られたくないよね?」
「…は!?」
白谷の言葉に、私はつい白谷の方を向いてしまった。
白谷と目線がぶつかる。
…しまった。
直感的に、そう思った。
白谷の目線は、私を捕らえて放さない。
私が恐れたあの目とは、また違った、違う力を秘めた目。
白谷の整った顔は、窓から入る夕日に照らされていて。
見たこともないほど、かっこいい、と思った。