Dummy Lover
白谷の言いたいことはなんとなく分かったけど、私は確認する。
「私も登るの?」
「当たり前でしょ?」
「却下」
「由愛ちゃん。…自分の立場、分かってるの?」
「…!」
黒い。
すごく黒いオーラが出てる…!
「分かったよ」
「分かれば、良いんだよ」
私は扉の横に立て掛けてあるはしごに足をかけた。
「はい、掴まって」
「……」
白谷が手を伸ばしてる。
これは、その手を握れ、という意味なのだろうか。
「…しょうがないなぁ」