Dummy Lover
そう呟いて、白谷の手に自分の手を重ねると。
「よいしょっと」
「ひゃぁっ…!?」
ものすごい力で一気に上まで引っ張りあげられた。
私は思いのほか驚いてしまって、小さく悲鳴をあげる。
「ははっ。…由愛ちゃん、可愛いね」
「へ?なっ…!ばか言わないでよね!」
私は平らで、思ったより安全な屋上の屋根上に腰を下ろした。
そして、ふと白谷の手元に目を向ける。
「そいえばあんた…、お弁当は?」
「ん?」
白谷はお弁当を持っていない。
それどころか、何も持っていない。