RAIN DROPS -初めての恋-
心配で……、気になって…。
あたしはあんなに迷っていたチャイムをすぐに鳴らした。
けど、誰かが出てくる気配はない…。
ドアノブに手をやると、くるっと回って扉が開いた。
――キィ…
ごめんね、と心の中で謝りながらあたしは部屋に入った。
あたしは部屋を緊張しながらゆっくり見回す。
ちゃんと持っていたはずのビニール袋が、ドサッと音を立てて手から滑り落ちた。
だって…。
シンプルにモノクロで統一されたきれいな部屋の中のリビングで、天音くんが俯せで倒れていたから…。
あたしはどうしたらいいか分からず、ただ駆け寄って
「天音くんっ!天音くんっ!!」
名前を呼んで、天音くんの肩を揺する。
どうしよう…っ、どうしようっ!
急に天音くんの肩を掴んでいる手首をガシッと掴まれた。
…え…っ?
「えみか…?」
優しい懐かしい声であたしの名前を呼ばれた。